メラミン食器の安全性について

平成20年9月22日

日本プラスチック日用品工業組合
プラスチック製食器協議会

中国に於ける「メラミン」混入牛乳を原料とした粉ミルクによる乳幼児腎臓結石健康被害や乳製品の汚染問題について

品質検査時にタンパク質の含有量を高く見せかけるため、低品質の牛乳に化学原料のメラミンを疑似蛋白として人為的に加え、これを原料とした粉ミルクを飲んだ乳幼児の腎臓結石による健康障害、更には同じ牛乳を原料に使った一部の食品汚染が報道によりご不安を与えております。
報道されております「メラミン(モノマー)」とメラミン食器は、物質的に別物であり、メラミン食器の安全性は、下記の通り確保されておりますので、組合員が製造・販売するメラミン食器については、ご安心賜りますようお願いを申しあげます。

1 メラミン食器の安全規格基準について

日本では、メラミン食器は食品衛生法による合成樹脂製の器具または容器包装の材質別規格基準が定められていて、この基準に適合した原材料から製品に至るまで安全性は確保されておりますので安心してご使用頂けます。

また、イギリス BPF(イギリスプラスチック連盟)、ドイツ BGA(ドイツ連邦保健局)、アメリカ FDA(アメリカ食品医薬品局)など世界各国の衛生専門機関に於いても規格基準を定め安全性を確保しております。

2 「メラミン」と「メラミン食器」の相違について

メラミンを原料にメラミン樹脂は合成され、このメラミン樹脂にパルプなどを混練しメラミン樹脂成形材料が造られます。メラミン食器はこのメラミン樹脂成形材料を高温・高圧下で成形し、高分子結合化され製造されます。一連の報道で問題となっている化学原料の「メラミン」と「メラミン樹脂成形品(メラミン食器)」は物質そのものが別物で、その作用も異なります。

また、メラミン樹脂はその製造過程に於いて、化学反応により化学原料のメラミンはほぼ全量反応していますので、この樹脂化した状態でメラミン単量体(メラミンモノマー)としては殆んど残存していません

3 微量のメラミンモノマーの安全性について

どのような物質でも摂取する量と摂取方法を誤ると、例えば栄養素として不可欠なビタミンAも摂取過剰では肝臓障害を引き起こすなど、何らかの障害が出てきます。この様に、摂取量、摂取方法を違えると、どのような物質でも健康障害を引き起こすことがあり得ます。大量のメラミンモノマーを経常的に口から摂取すると、腎臓や膀胱に結石が出来ることは考えられます。
しかし、今回の様に、偽装目的で人為的にこの様な化学物質の「メラミン」を大量に食品に混ぜること自体が、通常ではあり得ません。

この点、メラミン食器に残留する可能性がある量は、溶出試験の結果極微量であり、アメリカ NTP(国家毒性プログラム)の実験結果からも、十分に安全性が確認されています。